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往復15分の不快@アワサ [エチオピア]

他のチームメンバーが現場に出ているため車もなく、
私は昼ご飯を食べに、ひとりで近くのホテルに歩いて行くことにした。
片道7~8分。
お昼だし、見通しのいい明るい道を歩くだけのこと。

だが、事務所を一歩出たところから緊張が始まる。
すれ違う人たちは私のことをじーっと見ている。
子供は「よーよー」と叫ぶ。
大人は「チャイナ」と呼び捨てる。
エチオピア人の表情は他の東アフリカ諸国と違って暗いし、海外から来た人間を客人として扱おうという習慣がない。

路上に座り込んでいる男たちの目が私に向いているのがわかった。
無視、無視。
他の国ならにっこり笑っても問題はないが、ここでは見てないふりをするのが一番だ。浮浪者に対しては、「景色である」くらいのつもりで通らないといけない。
右目の端で彼らの動向を見ていると、ひとりがおもむろに立ち上がろうとしている。
私は知らん顔をしたまま歩く速度を速め、交差点を斜めに突っ切って難を逃れた。

ホテルに到着する僅か7~8分の間に、4人に声を掛けられた。
ホテルのレストランでも、はす向かいの男女4人組は私のことを見ながら「チャイナ」と会話を続けている。何だか気が休まらない。

食事をしてから、さっきの男性集団を避けるために別のルートで事務所に戻ることにした。しかし、ここにも労働者が溜まっており、「チャイナ」と呼び捨てられる。更に歩いていると、バイクに乗った男からも「ヨーッ!」。
角を曲がると、お巡りさんがにっこり笑って敬礼をしてくれたので少しホッとしたのだが、行く手に3人の女性が見えた。女性だし、と無警戒で歩き続けたら……、ああ、しまった!
ひとりの女性が突然後ろから近づいて来て、巻き付けていた汚れたストールで私の背中をバシッと叩いた。私は咄嗟によけたが、ストールの先が肩に当たり、ホコリが目の前に散った。早足で遠ざかりながら後ろを振り返ると、引きつった顔の女性が何やら叫んでいた。私は睨み付けたが、不快感でいっぱいになった。

翌日の今日、「ひとりで歩きたくない」と、同僚とともに昼食に出掛けた。日本人男性が側にふたりいるし、大丈夫かと思っていたら、やっぱり若い男が近づいてきて、「チャイナ」と言いながら私の腕をベタッと触って去って行った。

「もう、ヤダ……この人たちには礼儀ってもんがないのかしら」
私は大きなため息をつきながら、触られた腕を払った。
「ある種の痴漢だな」とBさん。
「まだそれだけ魅力があるってことだよ」とGさん。
「ほおーっ、Gさんはめっちゃポジティブですねぇ」と再びBさん。

何だよ、も~。
ふたりとも全然ボディーガードになってないじゃん。
“まだ”魅力って何よ。ポジティブって何よ。
人の気も知らないで……(しくしく)
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